美容

コスメにも使われる「幹細胞」とは?

投稿日:

近年では、幹細胞が医療分野だけではなく、コスメにも用いられるようになりました。植物や人間から取り出されたということは、コスメのパッケージに記載されています。

しかし、その原料自体が一体何なのか分からないまま、使っている方も多いと思います。今回は、その役割や種類、使用される目的についてカンタンに説明していきます。

幹細胞って何?

人間の体は、細胞が集まってできています。いくつあるか分かりますか?なんと60兆個です。そして、そのうちの30億個は幹細胞です。

ふつうは、どの細胞に成長し、どの役割を持つか決まっています。しかし、幹細胞は何も決まっていません。どんなものにもなれるポテンシャルがあるのです。

そして、2つの能力をもちます。「分化能」と「自己複製能」です。

分化能は、皮膚や骨、赤血球など体のいろいろな細胞を生産する能力のことです。例えば、皮膚は新陳代謝が激しいため、すぐに死んでしまいます。役目を終えたものは剥がれて、アカとなります。このとき、すぐに新しいものをつくらないと、肌を維持できませんよね。その仕事を担うのが、幹細胞です。死んで剥がれたときに、その代わりを補充してくれます。皮膚だけでなく、人体を構成するあらゆる部品を生産する工場のような働きをするのです。

自己複製能は、自分のコピーを作り出す能力です。分裂して、同じ働きをする仲間を増やします。まるで、分身の術のようです。

このように、分化能で違うものにもなれるし、自己複製能で同じものにもなれるのです。

幹細胞の2つの種類

大きく2種類に分けることができます。「組織幹細胞」と「多能性幹細胞」です。

前者の場合は、なれる細胞が決まっています。どんなものにでも、なれるわけではありません。肌をつくるものなら肌、神経をつくるものなら神経と決まっています。人間は何かの拍子にケガをしたり、病気になったりしますよね。その時、細胞もダメージを受けたり、死んだりしています。段差につまずき、転んで膝をすりむいたら、少なくとも肌表面の細胞は死んでいます。このとき、肌にある組織幹細胞はケガのダメージを修復するため、新しいものを供給します。どんなものでも再生できるわけではなく、ある決まった細胞のみ生産することができるということです。
一方、多能性幹細胞は、体内のあらゆる細胞に成長できます。血液、皮膚、骨、脳、神経、どんなものでも作れるのです。そのことから、「万能細胞」とも呼ばれます。

最も有名なのは、iPS細胞※1です。京都大学の山中伸弥教授が発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。それ以前は、ES細胞※2が研究の主流でした。しかし、人間の受精卵をもとにつくらなければいけないので、実用化するには倫理的な問題がありました。他者の細胞を利用するので、拒絶反応が起こるというリスクも伴います。iPS細胞は、それらのデメリットを克服できます。受精卵ではなく、普通の細胞をもとに作ることができるので、倫理的に問題はありません。しかも、患者自身のものを使うので、拒絶反応も起きません。

※1 iPS細胞は「induced Pluripotent Stem cell」の略。
※2 ES細胞は「Embryonic Stem cell」の略。

幹細胞はどのような目的で使われる?

iPS細胞などの多能性幹細胞は、主に再生医療の分野で積極的に用いられています。再生医療とは、ケガや病気でなくなってしまった体の一部や臓器、組織などを再生したり、治療したりすることです。

病気というのは、ある細胞や組織の機能が故障することでよく起こります。例えば、糖尿病なら血糖値をコントロールする細胞が故障しているのが原因です。したがって、その患者の細胞からiPS細胞を作り、それを正常な機能を持つものに分化させ、置き換えるという治療ができるわけです。

同じように、交通事故などで脊髄を痛め、下半身麻痺になってしまった場合に、新しい神経細胞を移植する方法も考えられます。まだ、実用化はしていませんが、慶應義塾大学などで研究されています。

幹細胞が使われるのは、再生医療だけではありません。近年では、美容分野にも使われるようになりました。代表的なのが、幹細胞コスメです。まず、植物や人間から幹細胞を取り出します。そして、そこからエキスを抽出したり、培養液を作ったります。それらの美容成分を肌に塗ることで、美肌効果を得られると期待されています。

医療や美容に応用できるスゴイ武器

人体のあらゆるものになれるのが、幹細胞です。そして、2つの能力が備わっています。1つは、人体のさまざまな細胞を生み出す「分化能」です。もう1つは、自分をコピーして増殖する「自己複製能」です。

そして、「組織幹細胞」と「多能性幹細胞」の2種類に分けることができます。分化する細胞が決まっているのが組織幹細胞です。肌なら肌、神経なら神経と固定されています。一方、体のあらゆるものに成長できるのが多能性幹細胞です。皮膚、骨、筋肉、何にでもなれます。いわゆる「万能細胞」です。主に再生医療の分野で応用されています。ケガや病気で損傷した組織を再生したり、治療したりできます。

近年、医療だけではなく、美容分野にも使われるようになりました。それが、美肌効果を期待できる幹細胞コスメです。

-美容

Copyright© Compass , 2019 All Rights Reserved.